ダゴンのかたわらに

September 29 [Mon], 2014, 1:42
それからペリシテ人は神の箱を取って、それをダゴンの宮の運び、ダゴンのかたわらに安置した。(1サムエル記5:2)

ペリシテ人はイスラエル人を打ち負かし、契約の箱を奪って、自分たちの神ダゴンの宮に運び入れた。なぜ、ペリシテ人は、契約の箱を壊さなかったのだろう。おそらく、大国エジプトを打ったイスラエルの神は、将来何かに役立つかもしれないから、壊してしまうのはもったいない、と考えたのだろう。必要なときに運び出し、都合のいい様に使いたい、と考えたのかもしれない。

この点で、日本人は、ペリシテ人以上のつわものと言えるのではないだろうか。ペリシテ人は、二つの神、ダゴンとイスラエルの神を同じ宮に奉った。日本人は、元旦は神社にお参りし、葬式は仏式で執り行い、結婚式は教会で挙げる。八百万の神々を、敬いつつ自分たちの都合のいいように上手にあつかう。そこに信仰と呼べる霊的営みはない、とクリスチャンは思ってしまう。では、クリスチャンと、契約の箱をダゴンの宮に運び入れたペリシテ人との間に、共通点はないのだろうか。

私たちは、神に祈りを捧げる。その多くは、自分と家族の健康、自分の教会の祝福、自分の会社の繁栄など、自分に都合のいい祈りだけを捧げていると言えるかもしれない。また、重い病のため祈り、祈りが聞かれ癒された、というケースもあるが、そうはならないこともある。いくら熱心に祈っても、聞かれないと、祈ることをやめてしまうこともあるだろう。自分の願いを叶えるためだけの祈りは、必要なときだけ神の箱を持ち出すペリシテ人と同じではないだろうか。神のみこころを求め、それが成就することを第一に求めていきたい。祈りが聞かれないときでも、たたえられるべき御名をたたえ、賛美されるべき方を賛美していきたいと思う。

また、私たちは人生の岐路に立つとき、“神のみこころ”だと言い、目標に向かって邁進することがある。しかし、それは本当に神が望んでいることか、なかなか判断が難しい。以前、大学生の息子に、自分が思い描く教会ビジョンを熱く話した際、祈りに基づく霊的判断の必要性を冷静に諭されたことがあった。自分のやりたいことを、ただ実行するために、“神のみこころ” という表現を持ち出すのは、「主の御名をみだりに唱える」ことに等しいのではないだろうか。

では、神が、私たちに教えていることはなんだろうか。1サムエル記5章3節では、ダゴンの像が契約の箱の前にうつぶせに倒れていた。4節では、ダゴン像の頭と両腕は切り離され、胴体だけがうつぶせになっていた。神は、ペリシテ人にもイスラエル人にも、ご自身が生きている神であり、箱に入れて持ち運ばれるような方ではないことを示された。私たちは、表面上は信仰的に振舞いながら、根っこの部分では、自我で行動してることが少なくない。自力で何かを為すのではなく、生きた神にゆだね、霊的戦いに勝利していく必要がある。現代に生きるクリスチャンが、試練や誘惑にあうとき、内住の聖霊にゆだねることなしに、ほんの少しも抵抗できない現実を忘れてはいけない。

ライシュのシドン人

September 15 [Mon], 2014, 0:55
五人の者は進んで行って、ライシュに着き、そこの住民を見ると、彼らは安らかに住んでおり、シドン人のならわしに従って、平穏で安心しきっていた。この地には足りないものは何もなく、押さえつける者もなかった。彼らはシドン人から遠く離れており、そのうえ、だれとも交渉がなかった。(士師記18:7)

 ライシュのシドン人は、同族のシドン人の町から遠くはなれたところに、町を形成した。そこは豊かな土地であり、すべて自給自足で暮らしていた。彼らにとって、脅威となる敵は存在しなかった。イスラエルのダン部族によって滅ぼされるまでは。彼らは、平穏で安心しきった生活をしていた。

 彼らは、同族のシドン人から遠く離れており、また、周囲の人々と交流をしていなかった。したがって、突然、敵に襲われても、誰にも助けを求めることはできなかった。危機管理ができておらず油断しきっていたため、ダン部族の六百人の兵士に、たやすく滅ぼされてしまった。(士師記18:27-28)

 ライシュのシドン人と、現在の平和ボケで油断しきった日本人との間に、共通点があるような気がする。右利きの人たちの中には、隣国の指導者を批判し、国民性を蔑み、友好的な交流を快く思わない人がいる。左利きの人たちの中には、集団的自衛権の行使に反対という立場を一歩も譲らない人がいる。どちらにしても、日本周辺の国々と距離をとり、同盟国との協力関係を発展させない考え方は、ライシュのシドン人と共通する点があるように思う。日本だけ平和であればいい、豊かであればいい、という考えは、もはや通用しないだろう。

 国際社会で、永遠の中立を目指すにしても、それなりのリスクを覚悟する必要がある。どちらかの陣営に深く関与すれば、当然暴力的応酬の渦に巻き込まれる可能性は拡大する。国の舵取りを任された政治家は、国民の安全と国益を守るため、国際情勢を的確に見極め決断をしていかなければいけない。その点で、現政権が大きく判断を見誤っているとは思わない。今後は、志高く政界に進出した若きリーダーの活躍に大いに期待し、五十年後、百年後、安心して暮らせる国づくりをしていただきたいものだ。

未来の子どもたちへ、私たちは何を残してやれるだろうか
GIFT FOR CHILDREN
http://goo.gl/P30gAj

ペヌエルの戦い

September 10 [Wed], 2014, 15:32
 神の恵み、無条件の十字架の贖い、イエスキリストの愛の福音を聞いて、人は救いに導かれる。しかし、ある程度ときを経て、自分の新生体験は、いつだったのだろう?と考えると、最初の福音を聞いた時期より、何年も後だと感じる人は多いのではないだろうか。私の場合は、1987年の21歳の時に受洗したが、新生体験は、その24年後の2011年だ。

 この年、東日本を襲った大震災では、死者1万9千人、行方不明者を合わせると2万人以上の尊い命が奪われた。教会も大きな被害を受けた。同じ教会の姉妹が一人、避難先の小学校で津波に巻き込まれ、幼い二人の子どもとご主人を残し天に召された。どうして、こんなことが起こるのか?神の御心は何なのか?もしかして、自分の罪深さゆえに、これほどの犠牲者が出たのか?そんなことさえ考えてしまう。この時期が、私にとっての「ペヌエルの戦い」だった。

 創世記32章で、族長のヤコブは、ある人と夜明けまで格闘する。ヤコブという名前は、「かかとをつかむ者=人を出し抜く者」という意味がある。双子の兄エサウを出し抜き、長子の権利を奪った。(神の視点では、長子の権利は元来ヤコブのもの)また、おじラバンの元であらゆる努力を重ね、財産を築いた。家族と故郷に戻ることにしたが、そこには兄のエサウがいる。ここでも人間的な考えで対処しようとするが、不安と怖れがヤコブを襲う。彼は、財産すべてと家族全員を川向うへ渡らせ、一人になったとき、「ある人」ヤハウェの神と格闘する。その結果、もものつがい(自我)を打たれ、ヤコブは新生し「イスラエル」という名前を与えられる。

そこでヤコブは、その所の名をペヌエルと呼んだ。「私は顔と顔とを合わせて神を見たのに、私のいのちは救われた。」という意味である。(創世記32:30)

 信者は誰でもヤコブの様に、人生に一度は、神と格闘する時期がある。そのとき人は神を、知識的にではなく、経験的に「知る」ようになる。創世記4:1でアダムがエバを「知った」ように、人は神を体験し、「知る」。何年、何十年も前にイエスキリストを主とし信じたときから、聖霊が内住してくださったことに、その時初めて気づかされる。もうすでに義とされ、新生していた自分を、「ペヌエルの戦い」を通して、初めて発見する。震災から3年が経過した。この数年間が、私の「ペヌエルの戦い」だった。二十年以上前に義としてくださった神が、以来私の中に存在し続けてくださったことを、今、経験的に知った。

 おそらく、来年も同じような思いを抱くことだろう。人が悔い改め、霊的に生まれ変わるのは一度きりだが、神の恵みの深さ、義の高さ、愛の広さの全てを知り得るはずはなく、日々の生活を通し、死ぬときまで、徐々に体験的に「知る」ようになるのだろう。

推奨聖句:詩篇139編


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